2026年2月20日に日本マレーシア学会(JAMS) の2月例会を予定しております。
Zoomで実施いたします。どなたでもご参加いただけます。 詳細は以下をご参照ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
伊賀司(JAMS例会担当)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
報告者:鈴木雅斗(元市川市議会議員)
日程:2026年2月20日(金) 18:00
報告タイトル:日本軍協力者としてのインド金融家民族Chettiar― 未鑑定新出一次資料を中心に ―
報告要旨:
本報告は、戦時下マラヤにおいて、印僑金融家集団であるチェティア(Chettiar)が果たした役割について、近年発見された一次史料に基づき、慎重に再検討を試みるものである。
従来、日本軍政期におけるチェティアの活動については、軍票の導入や経済の混乱により、英国統治時代のような金融機能は事実上消失したと理解されることが一般的であった。しかし、筆者が近年ペナン島にて入手した、戦時中のものと推察される一連の未鑑定史料群を精査したところ、通説とは異なる側面を示唆する以下の興味深い記録が確認された。
- 当局による認可の継続性:軍政部が発給したとされる「貸金業許可証」や関連する受領書が含まれており、日本軍政下においても一定の条件下で彼らの実務が許容されていた可能性が推察される。
- 資産管理における実務的関与:敵産管理課との往復書簡やゴム林の伐採許可証などの存在は、彼らが旧英国系資産の維持管理において、実務的な役割を期待されていた場面があったことを示唆している。
- 物資配給に見る関係性:物資欠乏期におけるサリー等の配給証の存在は、当局と彼らとの間に、特筆すべき協力関係や懐柔政策が存在した可能性を示しており、更なる検証を要する。
本資料群には、タミル語による書簡や電報、カタカナが混用された私信なども多数含まれており、当時の多言語・多文化が混在する経済活動の一端を垣間見ることができる。今回の報告では、これら未鑑定資料の実物を提示し、その真贋を含めた学術的な評価について、マレーシア学会をはじめとする有識者の諸先生方のご知見を賜りたく存ずる。未だ端緒についたばかりの調査ではあるが、本資料の解析を通じて、軍政期経済史の微細な再構築に寄与できれば幸いである。
討論者:坪井祐司(名桜大学)
ZoomのURLは下の連絡先へお問い合わせください(東南アジア学科情報担当)

