東南アジア学会11月関西例会を次の通り開催します。
皆様のご参加をお待ちしております。会員以外の方も歓迎します。
参加希望の方は下記の登録フォームからお申込みください。
【開催日時】2023年11月25日(土)14:00 〜15:50
14:00~14:40 第一発表
14:40~14: 50 コメント
14:50~15: 50 質疑応答・ディスカッション
【会場】大阪大学箕面キャンパス6階603 +Zoom (ハイブリッド)
(大阪府箕面市船場東3-5-10)
★土曜日のため、正面入り口が閉まっています。正面向かって右手奥の守衛口から、出席者リストに印をつけて入館してください。
大阪モノレール・北大阪急行線 … 千里中央駅下車 北へ徒歩 約25分
阪急バス 千里中央発 新船場北橋 下車 徒歩約5分
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/top
【登録フォーム】*要事前登録
- 対面
https://forms.gle/ZANZa6yqTrbchnbC9
- ZOOM
このミーティングに事前登録する:
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZwvdOigqDoiE9BQARGaREC5XOqt9fXY-0dy
登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。
*Zoom参加の場合、登録後、登録メールアドレス宛にミーティング情報が届きます。
【プログラム】
発表者:前田彩希(神戸大学大学院国際文化学研究科 博士課程前期課程2年)
発表題目:20世紀ジャワにおける占いの知識の変容──プリンボンの出版に注目して
発表要旨:
本発表では、20世紀ジャワにおいて、プリンボンの出版が占いの知識にどのような変化をもたらしたのかを明らかにし、占いの知識がテキスト化されることで起こることを考察する。
プリンボンとは暦や数字を用いたジャワ固有の占いを中心に、儀礼の手順、呪文、薬といった日常生活で実用的な知識を寄せ集めた本であり、19世紀後半から無数に出版されてきた。プリンボンの内容は、インドネシア語の登場や華人の出版ネットワークとの関わりによって特に20世紀後半に大きく変化した。本発表では、現地調査に基づいて現在の実践者がいかに知識を習得し、何に依拠して占いを行なっているのかを述べ、発表者が日本国内・ジャワ島内で収集したプリンボンに基づいてその変化やバリエーションを指摘し、文献資料に基づいてプリンボンの出版がどのような人に支えられていたのかを説明する。これらからは、テキストへの依存度が高まり人々の信頼は人から本そのものへ移っていること、言語の変化によって想定される読者や内容が拡大したこと、華人の出版ネットワークがプリンボンの出版において重要であったことがわかる。
占いの知識が文字化され出版されることで、占いに関する知識は客体化、構造化される。本発表では、その過程でジャワ世界以外の知識も意識されるようになり、ジャワの占いの知識は西洋占星術や中国起源の占術も同等なものとして並列されていくようになったことを、ジャワ語・インドネシア語で知識を意味するンゲルム・イルムという言葉と重ねながら説明する。
コメンテーター: 津村文彦 (名城大学)