東南アジア学会オンライン例会9月開催お知らせ

9月のオンライン例会(従来の地方例会)を、9月10日(土)に開催いたします。参加ご希望の方は、9月9日(金)正午までに以下のフォームからご登録ください。

皆様のご参加をお待ちしております。会員以外のかたも歓迎します。
*オンライン(Zoomミーティング)で開催します。
*登録していただくと、ミーティング情報が自動的に返信されます。
*開催前日(9日)夜に、登録メールアドレス宛にミーティング情報を再送します。

【登録フォーム】
https://sophia-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tJwtduyupzkuGdRsGyJ7M4cPZPNyd3jzI2Cn

日時:2022年9月10日(土)14:00-17:15頃
13:50〜 入室開始

【第一報告 (14:00-15:30)】
発表 14:00-14:40
発表者:川邊 徹(上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻博士後期課程)
発表題目:「ビルマ式社会主義における弁証法の思想:ビルマ社会主義計画党内の講義資料から」
発表要旨:ビルマで1962年に政権を奪取した「革命評議会」はビルマ社会主義計画党を単独で組織し、政治と社会を掌握しながら国家建設を進めた。この政権は力による統治を進める軍事政権という性格とともに、上からの「革命」により独自の社会建設実現を目指す社会主義政権の側面も併せ持っていた。
1948年のビルマ独立から14年後に憲法体制を超えて政権を握った政権の政策的特徴の一つに、社会主義国家建設のためのイデオロギー形成が挙げられる。上座仏教や政治・経済用語を織り交ぜながら、ビルマ式の社会主義による国家建設を目指すことを主張し、その実践を試みたが、1988年の政権崩壊まで最終的な目標に到達することはできなかった。
本発表では、社会主義計画党のイデオロギー哲学「人と環境との相関関係理論」が公表されたのと近接した年代に党内で行われた講義記録から、イデオロギー哲学のバックボーンとなった思想について検討する。「人と環境との相関関係理論」をめぐっては、マルクス主義、仏教、ナショナリズムの融合などが指摘されてきた。講義記録はこの原理を「世俗のインニャミンニャ(相関関係)」と意義づけており、その中心となった弁証法の認識がどのようなものであったか、そのことに焦点を合わせる。

コメント 14:40-14:50 中西嘉宏氏(京都大学)
質疑応答 14:50-15:30

休憩 15:30-15:45

【第二報告 (15:45-17:15)】
発表 15:45-16:25
発表者:柯 ヨウ佳(上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科国際関係論専攻博士後期課程)
発表題目:「ベトナムヌン族女性移民の生存戦略から見る中国の観光政策が及ぼす影響:中国広西省徳天村を事例として」
発表要旨:従来の研究では、東南アジアの山岳地帯を近代国家による支配から相対的に自立した存在として論じている。本稿では中国壮族(ベトナムヌン族)という同系の少数民族の越境活動から、東南アジアの山岳地帯は国家から強く影響されている地域であることを証明する。
本研究では東南アジアの山岳地帯に属する広西省崇左市大新県徳天村と川を隔てたベトナムカオバン省ダムトィ社を研究地域として、その地域に越境活動をするベトナムヌン族女性移民を研究対象として考察する。移住者ベトナムヌン族と中国壮族は言語、文化同じ同系の民族である。
徳天村には、同村が中国国内の有名な観光地として発展する前から、男女問わず出稼ぎに来たベトナム人がいた。多くは農耕刈り入れ時期に単発または短期のアルバイトに来た者、または建設労働者である。
徳天村の観光地としての発展にともに、観光に関連する就職機会も増加した。しかし、なぜ徳天村が発展を遂げた後に観光業に従事したベトナム人はすべて女性なのかというのが本研究の問いである。
本発表は徳天村に関わる観光業政策と、現地に移住したベトナム・ヌン族女性の生存戦略への分析を通して、この現状の背景にあるメカニズムを明らかにする。これらの分析を通して、東南アジア山岳地帯に属する中国広西省は国家から強く影響されている地域であることを証明する。

コメント 16:25-16:35
質疑応答 16:35-17:15

ご不明な点がありましたら、丸井までご連絡ください。

東南アジア学会地区理事
岩澤孝子、小座野八光、篠崎香織、菅原由美、菅谷成子、丸井雅子

Masako Marui
Sophia University
m-masako[at]sophia.ac.jp
丸井 雅子 / 上智大学総合グローバル学部

Close Menu