ンポジウム「東北アジアを中心としたアジア地域における動物資源利用問題と「人間性」-生業、娯楽、奢侈の観点から-」のご案内

来月12月23日(日)に次のとおりシンポジウムを開催します。

シンポジウム「東北アジアを中心としたアジア地域における動物資源利用問題と「人間性」-生業、娯楽、奢侈の観点から-」

東北アジアが中心ですが、東北アジアと東南アジアを架橋する試みでもあります。

【日時】2018年12月23日(日)10:30-18:00(予定)

【場所】東北大学東北アジア研究センター(会場未定)

【プログラム】(若干の変更あり)

趣旨説明

①大石侑香(国立民族学博物館・助教)

「シベリアの毛皮動物の狩猟と世界システム−女性の欲望に着目して」(仮題)

②辻 貴志(佐賀大学大学院農学研究科 ・特定研究員)

「フィリピンの鳥の狩猟と「人間性」−なぜ人間は動物を狩るのか?」

③広田 勲(岐阜大学応用生物科学部・助教)・横山 智(名古屋大学環境学研究科・教授)・INGXAY, Phanxay(ラオス農林省政策法律局・副局長)

「ラオス北部の闘牛/肉牛飼育と焼畑システム」
④相馬拓也(早稲田大学高等研究所・講師)

「カザフ・イーグルハンターと騎馬鷹狩文化にみるエコロジーとヒューマニティ」(仮題)

⑤風戸真理(北星学園大学短期大学部・専任講師)

「動物飼育の標準化と個別性―北海道のロボット酪農とモンゴル動物文化の多様化」

⑥野地恒有(愛知教育大学教育学部・教授)

「品種を守る改造技術-金魚(ジキン・トサキン)」

コメント①高倉浩樹(東北大学東北アジア研究センター・教授)

コメント②蛯原一平(国立民族学博物館・外来研究員)

総合討論

【趣旨説明】

世界では、人間の都合により、様々な動物 が生業(狩猟)や娯楽や奢侈の対象となってきた。人間の欲望は止むことがなく、動物は蹂躙されてきた。動物資源の保全と継承は急務の課題であるが、同時に人間側の動物に対する見方や扱い方や考え方など「人間性」についても考える必要がある。

そこで、「東北アジアを中心としたアジア地域における動物資源利用問題と「人間性」-生業、娯楽、奢侈の観点から-」というシンポジウムを企画した(代表者:辻 貴志)。

本シンポジウムは、東北アジアの動物資源利用問題と「人間性」について、生業、娯楽、奢侈の観点から検討し、動物資源利用を問題化させる「人間性」の本質に迫る。

現代の動物資源利用は、特に資源の乱獲や違法な捕獲といった生業が問題視されている。東北アジア でも高級な毛皮を求めた狩猟は止むことはなく、人間の欲望を満たすために動物資源を娯楽に利用したり、奢侈に利用するといった側面にも及ぶ。同様の先行研究は数多いが(cf. 山田勇ら 2018 『生態資源』昭和堂)、(自然)人類学を援用した動物資源利用問題の根幹を成す「人間性」に踏み込んだ研究はない。また、動物資源利用問題と「人間性」は東北アジアの枠組みだけで捉えられない事象である。そこで、東北アジアの問題を地域横断的な視点から検討し、その動物資源利用問題の根幹を成す「人間性」の本質を捉えるため、アジア地域に焦点を当て比較検討する。

本研究では、東北アジア(シベリア、モンゴル、カザフ、日本)に焦点を当て、比較対象としてラオスとフィリピンの事例を交え、シンポジウム型の議論を行う。日中露文明圏への奢侈品生産地としての東北アジアや東南アジアの生業、娯楽、奢侈に着目し、東北アジアの「自然・文化遺産の保全と継承」を副題に、生業、娯 楽、奢侈の観点から「人間性」を検討し、動物資源利用問題と「人間性」の本質との関わりを究明する。

以上、現時点で予定や未定の部分がございますが、引き続きの連絡で明らかにして参りたい所存でございます。詳しくは、辻までメール(takashitsujiアットマークhotmail.com)でお問い合わせください。

なお、本シンポジウムは、東北大学東北アジア研究センター公募型共同研究の成果発表に基づくものです。

以上、ご多忙のところ万事繰り合せの上、なにとぞご参集のほどよろしくお願い申し上げます。

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