東南アジア・ドキュメンタリー映画上映ならびにトーク(12月12日)

京都大学東南アジア地域研究研究所では下記の要領で東南アジアを対象にした短
編ドキュメンタリー映像作品の上映ならびにトークイベントを開催します。

「Love」をテーマに東南アジアから応募された短編ドキュメンタリー作品の中か
ら、厳選した5作品を日本語字幕付きで12月7日よりオンラインにて公開します。
また、12月12日には、各地域の専門家による解説と各作品の監督をゲストに迎え
たトーク・イベント(日本語通訳つき、要事前登録)をオンラインにて開催しま
す。ふるってご登録・ご参加ください。

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第9回 Visual Documentary Project
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■オンライン上映
2020年12月7日(月)より下記HPにて公開します。
https://vdp.cseas.kyoto-u.ac.jp/2020screening/

■オンライントークイベント
日時:2020年12月12日(土)午後4時~午後6時
参加方法:下記URLより事前に参加登録ください。
https://tinyurl.com/y28l8fjf
登壇者:監督、地域研究者、映画の専門家が登壇します。
詳しくは下記を参照ください。
※トークイベント内では作品の上映はいたしません。作品は事前に各自でご視聴
ください。

■作品と登壇者
1.「伴侶さがし/Golek Garwo」
(Wahyu Utami Wati監督、インドネシア、2020、30分)
ジョグジャカルタ近郊の中高齢者の集団お見合い会。一人暮らしのバスリが再婚
を願う気持ちと彼が向き合う現実についての物語。シンプルで現実に即した愛情
表現を描く本作は、親密さを示す単純なしぐさや彼らが相手に本当の気持ちを伝
えるのを思いとどまる様子などを取り上げる。別々の街で働き、離れて暮らす二
人が抱える葛藤にも迫る。
【解説】小池誠(桃山学院大学)

2.「父を想う/The Father I Knew」(Aye Chan監督、ミャンマー、2020、14分)
30年前に家を出たきり戻ってこなかった父の足跡を娘たちが辿る旅。ジェニーが
まだ小さな子供だった頃、父は軍事独裁政権と闘うビルマ人学生の運動に加わっ
た。大人になったジェニーは自分の家庭を持ち、難民支援員として働く。父の最
後の消息を辿ることで、何十年も続くこの国の争いが彼女の家族や社会に及ぼし
た影響を考える。
【解説】池田一人(大阪大学)

3.「シンプル・ラブストーリー/A Simple Love Story」
(Hnin Papa Soe監督、ミャンマー、2020、21分)
現代ミャンマーに暮らすトランスジェンダー女性とトランスジェンダー男性との、
あまりシンプルではない愛に迫ったドキュメンタリー作品。このカップルが直面
する葛藤を克明に描き、ビルマ社会が抱える問題の核心に据える。トランスジェ
ンダーを未だに受け入れない社会で人々はどのように自分たちの愛に折合いをつ
けるのか。
【解説】土佐桂子(東京外国語大学)

4.「アルヤの絡まった髪の毛/Gimbal」
(Sidiq Ariyadi監督、インドネシア、2020、15分)
インドネシアの中部ジャワのディエン高原では、もつれ髪の子供が現れるのはそ
の子に祖霊がついているためだと信じられている。もつれ髪のアルヤを娘に持つ
夫婦がアルヤを大切に思う姿と断髪儀礼に至る過程で繰り広げられる交渉の様子
を追う。アルヤの父は儀礼を滞りなく行いたいと願い、娘の願いを叶えようと必
死に努力する。
【解説】青木惠理子(龍谷大学)

5.「紅酒鷄/Red Wine Chicken」
(Grace Chung監督、マレーシア、2020、16分)
ベトナム人のアチャオ(阿嬌)はマレーシアのヌグリ・スンビラン州に住むマレー
シアの福州系華人男性と結婚した。本作ではアチャオが家庭内での自分の立場を
思案する姿が焦点となっている。福州の伝統料理である紅酒鶏、それに家族と食
事をめぐって物語が紡がれる。人と人との様々な関係のあり方を考えさせる。
【解説】篠崎香織(北九州市立大学)

【総評】
石坂健治(日本映画大学/東京国際映画祭シニア・プログラマー)
若井真木子(山形国際ドキュメンタリー映画祭)
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