東南アジア学会会員の皆様
神戸大学の下條尚志です。
下記のとおり、研究会のご案内をいたします。
奮ってご参加ください。
https://www.kasasustainability.org/workshop
ジェームス・スコットの生涯・思想・世界 追悼研究会
日時:2025年7月19日(土)10時〜16時
会場:上智大学 10号館 301・ZOOM(ハイブリット形式)
参加申し込み:下記のURL先、QRコードから事前登録
https://www.kasasustainability.org/event-details/james-scott-event
共催:東南アジア学会
プログラム
1. 今村真央(山形大学) 「言語と王権: スコット対ポロック」
2. 片岡樹(京都大学) 「スコットの宗教論」
3. 日下渉(東京外国語大学) 「スコットと政治学」
4. 麻田玲(山口大学) 「スコットと農村の生存戦略」
5. 下條尚志(神戸大学) 「スコットのモラル論再考」
6. 石川登(京都大学) 「ゾミア論のアップデート: :スコットさんからバトンを受けて」
7. シンワ・ノー(上智大学)From State Evasion to Aspiring State-Making: Political Evolution of Myanmar’s Highland Communities
8. 津久井文(東京大学) 「知の氾濫原に生きる」
9. 内藤大輔(京都大学) 「アジールとしてのProgram in Agrarian Studies at Yale」
10. 伊藤毅(上智大学) 「スコティアン・ワールドの探求」
趣旨説明:
2024年7月19日、東南アジア研究の先駆者の一人であるジェームズ・スコット教授がコネチカット州ダーハムの自宅で永眠されました。
スコット教授は、Williams Collegeで政治経済学を学んだのち、ビルマとフランスでギャップイヤーを過ごした後、Yale Universityで政治学を学びました。
Ph.D.取得後に最初に赴任したUniversity of Wisconsin-Madisonで、農村社会の授業を教える傍らヴェトナム反戦運動に参加し、1976年にYale Universityに着任しました。
Yale Universityでは、政治学部と人類学部の両学部に籍を置き、2022年に引退するまで、精力的に研究教育活動に取り組みました。
スコット教授は既存のディシプリンの枠にとらわれない独自の研究フィールドを開拓し、東南アジア研究、政治学、人類学、サバルタン研究、開発研究、政治生態学、歴史学などの分野に大きなインパクトを与えました。
1991年には、スコット教授の代名詞とも言われる超学際的なAgrarian Studies Programを立ち上げ、ゲストスピーカーによる発表とそれに対するコメントからなるワークショップが毎週金曜日の慣例となりました。
プログラムは、スコット教授のウィットに富んだ、ユーモアな人柄に惹きつけられるように、数多くの研究者、ポスドク、大学院生が集まるコミュニティへと成長しました。本ワークショップでは、スコット教授の圧倒的な独創力に満ちあふれた研究視点・方法・成果について、複数の分野から改めてその功績を認識するとともに、これからの重要な研究領域・課題を浮き彫りにします。
代表的な著作に The Moral Economy of the Peasant (1976), Weapons of the Weak (1985), Domination and the Arts of Resistance (1990), Seeing Like a State (1998), The Art of Not being Governed (2009), Two Cheers for Anarchism (20120, Against the Grain (2017), and In Praise of Floods (2025)など多数。
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下條尚志