東南アジア学会の皆様
12月19日木曜日の18時よりZoomで12月のJAMS例会を開催します。事前登録等はありません。
報告者は、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科の八木暢昭氏で、半島部マレーシアの選挙を事例に大規模言語モデルと統計的因果推論を用いた仮設構築の試みについてお話しいただきます。討論者に鷲田任邦氏(東洋大学)をお呼びします。
詳細とZoomリンクは以下の通りです。皆様のご参加をお待ち申し上げております。
報告者:八木暢昭氏(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)
報告タイトル:大規模言語モデルと統計的因果推論を用いた地域研究における再現性のある因果的仮説の探索と検証———半島部マレーシアを事例に———
報告要旨:
科学全般にとって再現性は重要であり、それはマレーシアを含む地域研究にも当てはまる。仮説は再生性・頑健性・再現性(これらの問題をまとめて再現性問題と呼ぶ)を伴った形で検証される必要がある。また、当該研究が因果関係の推論に関するものであれば、処置変数・曝露因子と結果変数における因果の向きと因果効果の正負を明確に仮定する必要がある。そこで本報告では半島部マレーシアにおける選挙を研究事例にとり、因果関係の明示的な仮説探索を行うとともに、仮説検証を再現性問題に応える形で実施するための方法論を提示する。仮説の探索においては先行研究から得られた理論的着想と大規模言語モデルを用いたオンライン空間上の言説データの探索的分析結果を往還しながら因果関係に関する仮定を明確にしていく。そしてそこで探索して構築した仮説を統計的因果推論と感度分析を用いて頑健で再現可能な形で検証する。最後に、このような研究の枠組みは他の研究領域にも拡張可能であるため、本報告で用いた手法をより一般化して提示する。
討論者:鷲田任邦氏(東洋大学)
(情報担当追記:Zoomのリンクは日本マレーシア学会宛にお問い合わせください)
伊賀司(JAMS例会担当理事)