東南アジア学会2月例会案内(中四国)

東南アジア学会会員各位

 

東南アジア学会2月中四国地区例会を次の通り開催します。

皆様のご参加をお待ちしております。会員以外の方も歓迎します。

 

【開催日時】2024年2月17日(土)14:30 〜17:45

14:30~15:20 第一発表

15:20~15: 30 コメント

15:30~16: 00 質疑応答・ディスカッション

 

16:15~17:05 第二発表

17:05~17:15コメント

17:15~17:45質疑応答・ディスカッション

 

【会場】広島大学東千田キャンパス未来創生センターM302+Zoom (ハイブリッド)

https://www.hiroshima-u.ac.jp/centers/education_facilities/miraisousei

 

【プログラム】

第一発表

発表者:大石友子(広島大学大学院国際協力研究科博士課程後期)

発表題目:タイ東北部の飼育ゾウを取り巻く自然環境と産業の変遷

要旨:タイ東北部スリン県及びブリラム県では、クアイの人々が世代を超えてアジアゾウを飼育してきた。本発表は、この地域の飼育ゾウを取り巻く自然環境と産業の変遷、これらに関連して展開された保護政策の様相を明らかにすることで、クアイの人々と飼育ゾウの関係がいかに変容したのかを考察することを目的とする。

タイの飼育ゾウに関する研究では、1989年の森林伐採の原則禁止によって、主にタイ北部のゾウが従事する産業が林業から観光業へと移行したことが取り上げられてきた。また、ゾウを飼育するクアイの人々についての研究では、ユーカリ植樹等に伴う森林面積の減少によって、ゾウの食糧不足に陥った経緯が記述されている。既存の研究におけるこうした変遷は、ゾウの労働や福祉に関する問題を引き起こした要因として言及されるに留まり、保護政策と相俟ってゾウの社会的位置付けや飼育環境を形成し、人間を含む多種との絡まり合いを再編する過程は検討されてこなかった。そこで、本発表では資本新世の視座を参照し、自然環境と産業の変遷をタイ東北部の文脈から捉え、クアイの人々とゾウの関係を生成する過程として描き出す。その上で、関係の変容をクアイの人々とゾウの親密性に注目して論じる。

コメンテーター:生方史数(岡山大学)

 

第二発表

発表者:泉川晋(同志社大学人文科学研究所 嘱託研究員)

発表題目:植民地期インドネシア全土における日本製品の受容-植民地政庁の調査から―

発表要旨:本報告は、オランダ植民地省文書にもとづき、1930年代初頭の植民地インドネシア(蘭領東インド)全土における日本製品の流通を概観する。インドネシア経済史研究では、一般的に、この1930年代初頭に日本製品の流通市場におけるプレゼンスが高まったとされる。既往研究では、この時期の日本製品の流通については統計資料や日本側の資料に基づく、輸入貿易の動向に注目したものが多い。また、報告者はこれまで、ジャワ島を対象に、日本人商人や華人商人の商業活動からその流通の実態を明らかにしてきた。しかしながら、管見の限り、ジャワ島以外の外領を含み、国家間ではなく、かつ地域内に限定しない、蘭印全土を包括的に検討した研究は未だ行われていない。その根底には、この日本製品の地域間流通に関する史料や統計資料に示される情報が、オランダ語や日本語、インドネシア語等、多言語で記され、かつ断片的であることが存在している。

そこで本報告では、オランダ植民地政庁が1933年に蘭印各地で実施した外国製品の流通とそれを取り扱う業者にかかわる調査報告に依拠して、ジャワ島およびそれ以外の外領における日本製品の流通実態と業者の関わりを検討し、地域間流通の実態の一端を明らかにする。

コメンテーター:赤崎雄一(和歌山工業高等専門学校)

 

事前登録は必要ありませんが、オンライン参加希望の方は、関恒樹(中四国地区例会理事:seki[atmark]hiroshima-u.ac.jp) までご連絡ください。

 

【お問合せ】reikai30-sea[atmark]ml.rikkyo.ac.jp

東南アジア学会地区担当理事

小座野八光、佐久間香子、篠崎香織、菅原由美、関恒樹、丸井雅子

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