例会(オンライン/7月15日)案内

7月の例会はオンラインで次の通り開催します。
皆様のご参加をお待ちしております。
会員以外のかたも歓迎します。
参加希望のかたは登録フォームからお申込みください。
開催日時:2023年7月15日(土)14:00-15:30
発表者:澤井志保氏(京都産業大学)
発表題目:「MDW的社会企業?ー香港で働いたインドネシア人家事労働者の事例から」
発表要旨:近年、東南アジアから東アジアへの国際移住家事労働者(MDW)数は増加しており、香港がMDWによる社会運動の一大拠点となっている。このことは多くの先行研究で指摘されてきたが、この種の社会運動の長期的帰結について考察する研究はまだ少ないといえる。従って本研究では、香港で社会運動に参加したインドネシア人MDW帰還者について調査を行ったところ、回答者の大多数が運動参加によって社会資本を得たと感じていることが分かった。また、多くの回答者が、移住労働中に得たネットワークと知識を地元社会の文脈に合わせて工夫しながら起業していた。しかしその一方で、起業した結果、回答者は起業者としてのアイデンティティと女性としてのアイデンティティの間に軋轢を感じており、地元社会や家族、親族等の価値観に対して葛藤しながら、自分の価値観をすり合わせていた。 本研究では回答者が起業によって経験する慣習的価値観との葛藤と妥協案の醸成のプロセスに着目し、起業を通して新たな価値観を社会に巻き起こすという意味においての「社会企業」として議論を試みる。特に、回答者の起業とジェンダー役割の両立についての葛藤や妥協のプロセスが、国際移住家事労働者の帰還後の出身社会への再統合を後押しするだけでなく、「家事は女性の仕事」という固定観念にも影響を与え、さらに特定の女性を国際移住家事労働に送り出すことを自明とする価値観をも変革しうる可能性について論じたい。
コメント:小池誠氏(桃山学院大学)
開催形態:オンライン(Zoomミーティング)/13:50頃からミーティング入室開始予定
*登録後、登録メールアドレス宛にミーティング情報が届きます。
お問合せ:reikai30-sea[at mark]ml.rikkyo.ac.jp(地区担当理事宛)
東南アジア学会地区担当理事、委員
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