東南アジア学会オンライン例会(6月26日)のご案内

2021年度オンライン例会(従来の地方例会)6月例会のご案内をお送りします。
参加希望の方は、6月24日(木)までに以下のフォームからご登録ください。

https://forms.gle/1WcUhmZZoBvkL9ri8

登録された方に、例会前日に参加のためのZOOMリンクをお送りします。
万が一、登録されたにもかかわらず、前日にZOOMリンクが届かなかった場合は、菅原までご連絡ください。

皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

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日時:6月26日(土)13:00~16:30頃

*第一報告 (13:00~14:10) *
発表者:岩元真明(建築家 / 九州大学大学院芸術工学研究院)

発表題目:「近代建築家ヴァン・モリヴァンの内戦前後の活動について」

発表要旨:フランスから独立を果たした1953年から内戦が勃発する1970年までの17年間、カンボジアはノロドム・シハヌークのリーダーシップの下で未曾有の近代化を体験した。この間に展開された近代建築運動は「新クメール建築」と呼ばれ、国家建設と近代建築が結びついた好例として、東南アジアにおいて独特の建築運動が形成された希有な事例として、国際的に再評価の機運が高まっている。このような中で、ノロドム・シハヌークに重用され、数々の国家的プロジェクトを牽引したヴァン・モリヴァンの活動を把握することは建築史的にきわめて重要である。本発表では、拙・博士論文「カンボジアの建築家ヴァン・モリヴァン(1926-2017)に関する建築史的研究:国家揺籃期における建築家の課題」(2020)に基づき、ヴァン・モリヴァンがいかにしてクメール人初の公認建築家となったか、いかにして数々の国家的プロジェクトを遂行したか、亡命期にはいかなる活動を行っていたか、建築史の立場から概観する。また、「オリンピック・スタジアム」と渾名されるナショナル・スポーツ・コンプレックス(1964)を例として、ヴァン・モリヴァンの建築作品の特徴について考察する。

*第二報告 (14:25~15:35) *
発表者:足立真理 (日本学術振興会特別研究員(PD))

発表題目:「コロナ禍におけるイスラーム型困窮者救済のデジタル化と納付の簡便化:インドネシアのザカート管理庁とGo-Payとの協働事例」

発表要旨:新型コロナウイルス感染拡大という状況下で、五行の一つザカート(義務の喜捨)をはじめとするイスラーム型困窮者救済は以前にも増して、活発化している。特に、電子マネーやオンライン決済、携帯電話による送金を活用した支援は可及的速やかに広がり、即時給付を可能にしている。2019年から、東南アジア最大の決済アプリGO-PAYは、インドネシア全国ザカート管理局BAZNASと協働してザカートをオンラインで支払い、受け取れるサービスを開始した。成人人口の約半数が銀行口座を保有していないインドネシア(World
Bank 2016 report on financial inclusion in
ASEAN)でも、全人口の半数以上がこのアプリを利用しており、その結果サービス開始から1年もたたない2019年10月の時点で、GO-PAYを介したデジタル寄付は630億ルピアの資金を調達しており、口座振り込みやほかのデジタルチャンネルと比べても徴収の規模が格段に大きくなっている(
https://bisnis.tempo.co/read/1268685/sedekah-digital-jadi-tren-gopay-luncurkan-gozakat/full&view=ok
)。本発表は、昨今のイスラーム型困窮者救済のデジタル化の事例だけでなく、ATM支払い、収入のザカート概念の発展による天引きなど、ザカート納付の簡素化が進んできた背景にも着目し、それらの分析を行う。

*アフターセッション(15:50~16:30頃)*

*発表者あたりの時間配分は発表30分、休憩+質問受付(チャット)10分、コメント+質疑応答 30分 になります。

ご不明な点がありましたら、菅原までご連絡ください。

東南アジア学会地区理事
岩澤孝子、丸井雅子、小座野八光、菅原由美、菅谷成子、篠崎香織

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