東南アジア学会地区担当理事及び委員から、9月13日(土)上智大学開催の関東地区例会についてお知らせします。対面とオンラインの両方での開催となりますので、お時間にご都合のつく方はぜひご参加ください。
発表者:荒 哲(大月市立大月短期大学)
コメンテーター:内山史子(都留文科大学)
発表概要:「フィリピン社会における火器の定着と暴力の連続性―日本占領期からドゥテルテ政権時代まで―」
この研究では、社会史記述の方法を駆使して第二次世界大戦前後のフィリピン社会における民衆暴力の状況を浮き彫りにし、現在の暴力との連続性について論じてみたい。具体的には、フィリピンにおける日本占領末期から復興期にかけて顕著になった抗日ゲリラの暴力と、この時期に首都マニラにおいて多く組織化されたギャングによる暴力を例に検討する。そうすることで、この時期からフィリピン社会にどのようにして多くの犯罪が横行し、同時にどのようにして火器が民衆間で定着し、その後の社会不安をもたらしていったのかを示してみたい。ここで議論する「民衆」とは、国家という一つの社会システムを構成する人々に位置づけて、この語をすべての社会階級を横断しつつ広義に用いることとする。
概して、数多くのフィリピン史記述においては、国家対民衆といった構図での暴力の描き方が主流であり、その国家を構成する中での民衆対民衆という構図での暴力はほとんど描かれていない。誰が/誰に向かって暴力をふるったかによって、暴力の意味合いは異なってはくるが、この研究では、こうした構図を相対的に扱いながら、日本占領期末期から戦後復興期に噴出したフィリピン社会における暴力を検討しつつ、こうした暴力がその後のフィリピン社会に横行する暴力とどのような連関性を持つに至ったのかを、2016年以降のドゥテルテ政権期に高揚した超法規的殺人との関連で考察してみたい。
開催スケジュールは、以下になります。
1. 開催日時:9月13日(土)15時~
14:40 開場 (オンラインは、14:50頃よりZoomミーティングを開始)
15:00 開始
15:00~16:00 発表1時間程度
16:00~17:00 休憩、質疑応答等
2.会場
上智大学2号館6階615a会議室
3.オンライン
Zoomミーティング登録リンク:
https://sophia-ac-jp.zoom.us/meeting/register/ggAQvaGaQPKvadqgjoigUQ
*登録が必要です。登録すると折り返しZoomミーティング情報が送付されます。
多くの方のご参加、お待ちしております。
東南アジア学会地区担当(関東)
理事:丸井雅子、委員:加藤久美子、川邊徹