10月25日金曜日の18時からJAMSの10月例会をZoomにて開催いたします。事前登録等はありません。
10月の例会は、京都大学アジアアフリカ地域研究研究科でマレーシアのインド人社会を研究されている中島咲寧氏にご報告いただきます。
皆様のご参加をお待ち申し上げております。
JAMS2024年度10月例会
日時: 2024年10月25日 18:00~20:00
報告者: 中島咲寧(京都大学アジアアフリカ地域研究研究科)
タイトル: マレーシアの「インド人」社会を再考する:ペナンにおけるインド系ムスリム住民の歴史と現状に着目して
報告要旨:
マレー人、華人、インド人を中心とする三大民族からなる多民族国家であるマレーシアにおいて、インド人社会は総人口の6.7%[2020年センサス]を占める集団である。こうした大カテゴリとしてのインド人の下には、出身地や宗教、流入の時期と背景に応じて多くの下位集団が存在するが、その内実に焦点を当てた研究は少なく、マレーシアの「インド人」は主に英領期のプランテーション開発に伴い流入した人々の末裔として説明され、その集団性や抱える課題が一面的に語られる傾向がある。
本報告では、いわゆる19世紀後半以降のプランテーション移民とは異なる経緯で流入した「インド人」、特にインド系ムスリム社会に着目する。ムスリムとしてよりマレー人に近い立場にある彼らの間では、通婚によるマレー系への漸次的な同化も生じている一方で、同郷組織やコミュニティ・モスクといった社会基盤、またはエスニック・ビジネスの継承などを通じた独立以降の新たな人の流入などを背景に、集団アイデンティティが今なお維持されている。本報告では、特にペナンに在住するインド系ムスリム集団を取りまく様々な力学の検討を通じて、マレーシアの「インド人」社会を捉える新たな視点を提示することを目的とする。
討論者:古賀万由里(開智国際大学)
Zoomのリンクは日本マレーシア学会にお問い合わせください。(東南アジア学会情報担当追記)