東南アジア考古学会では、次の通り第286回例会をオンライン(Zoom)で開催します。皆様のご参加をお待ちしております。(要参加登録)
開催日時:2023年6月24日(土)14時-15時半
発表者:鈴木一平(総合研究大学院大学・先端学術院 博士後期課程1年)
題目:「ジャワ石彫資料にみる14-15世紀のクリス」
概要:
本発表では、東南アジア島嶼部に広く分布する鍛造製鉄剣「クリス(Keris)」について、14-15世紀にジャワで製作された石造彫刻資料を用いて当該時期のクリス形体について検討を行う。クリスは日本における日本刀の如く、その文化圏において極めて特別な物質文化である一方、それがいつどこで誕生し、どのように発達を遂げてきたのかについては、不明な点が多い。これまでもクリスの起源や年代についての議論は存在したが、17世紀以前の年代情報をもつ現物資料が圧倒的に不足しているという理由から、考古学的に実証可能なクリスの年代観の構築は困難であった。そのような背景をふまえ、発表者は制作年代が把握可能な石造彫刻に登場するクリス図像を検討することで、17世紀以前のクリスの様相を明らかにすることを試みた。本発表では14-15世紀の遺跡に由来する石彫資料のうち、クリス図像が登場する浮彫彫刻資料3点(チャンディ・プナタラン、チャンディ・スクーに由来)と、丸彫彫刻資料3点(プナングンガン、チャンディ・スクー、グロゴルに由来)を対象に、当時のクリスの形体特徴を検討する。さらにクリス図像にみられる特徴と同様の特徴をもつ伝世品3点(パガルユン王宮、鑁阿寺、豊玉姫神社伝世品)を紹介し、これまでほとんど未解明であった14-15世紀のクリスについて、部分的ではあるがその輪郭を掴みたい。
要参加登録:次のURLからお申込みください。
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皆様の参加をお待ちしております。
東南アジア考古学会例会担当委員
丸井雅子、宮本康治、鈴木一平、佐藤恵子
jssaaseminar[atmark]gmail.com