2023年度の東南アジア学会研究集会
Southeast Asia as Critical Crossroads: Dialogues with Anthony Reid(仮)を下記の通り開催いたします。
日時:7月22日(土)〜7月23日(日)
会場:東洋大学白山キャンパス (アクセス:https://www.toyo.ac.jp/about/access/hakusan/)
開催形態:対面を重視したハイブリッド(Zoomによるオンライン配信)開催の予定です。
使用言語:英語
本研究集会の目的は、長らく世界の東南アジア研究を牽引してきたアンソニー・リード氏をゲストに迎え、東南アジア研究のこれまでの成果と今後の可能性を議論することです。
リード氏は1980年代後半から、アナール派の提唱した「全体史」の観点を東南アジア史に導入し、Southeast Asia in the Age of Commerce (1988, 1993)において、民衆生活、経済、労働、宗教、儀礼、食事、女性の役割、物質文化などを鮮やかに描くことで、東南アジア像を一新しました。氏はその後、東南アジアの華人、非国家社会、自然災害についても先駆的な研究を発表し、
東南アジア研究のみならず他分野にも多大な影響を与えてきました。
リード氏の近著 A History of Southeast Asia: Critical Crossroads (Wiley Blackwell, 2015) は、東南アジア地域全体の歴史を先史時代から現代まで一人で描き上げ、自ら「著作のうちでも最も包括的な本」とみなす作品です。(邦訳『世界史のなかの東南アジア:歴史を変える交差路』太田淳・長田紀之監訳(名古屋大学出版会、2021)。)
氏は本書において、多様性を基軸に、環境・ジェンダー・非国家という3つの視点から、斬新な東南アジア像全体を打ち出しました。本研究集会は、この東南アジア像と東南アジア研究のこれからをリード氏と共に考える機会となります。
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プログラム概要(詳細は今後順次お知らせします。)
1日目(7月22日(土))午前
Reading A History of Southeast Asia: Critical Crossroads(仮)
第一部(1日目午前)は、研究者が『世界史のなかの東南アジア:歴史を変える交差路』を論じる書評シンポジウムです。リードが描く東南アジア通史を、登壇者が異なる視点から評し、リード氏が応答します。
1日目(7月22日(土))午後
Anthony Reid and Southeast Asian Studies(仮)
第二部は、ジェンダー、非国家、環境、経済史、ナショナリズムなど、リード氏が長い研究人生において開拓してきたテーマを取り上げ、彼の貢献を確認するとともに、東南アジア研究の今後の展望を論じます。本セッションも、一連の発表に対してリード氏が応答するという対話型フォーマットです。
2日目(7月23日(日)) 10:00-14:30(予定)
Commodity Matters: **Field-based Approaches to Southeast Asian History(仮)
第三部(2日目午前)は、商品としての自然資源の利用を手がかりに、商業がつくる歴史世界がいかに過去から連続し、あるいは断絶しているかを探探ります。歴史学を専門としない地域研究者が、フィールドワークを出発点として周縁、境域からの東南アジア(史)の可能性と意義についてリード氏と論じます。
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本イベントは、東南アジア学会と海域アジア・オセアニア研究(MAPS)東洋大学拠点との共催です。
本研究集会は、以下の会員によって提案され、理事会の承認を得ました。
企画者:今村真央、太田淳、長田紀之、長津一史
皆さまのご参加をお待ちしております。
お問い合わせ:今村真央(山形大学)
imamura[atmark]human.kj.yamagata-u.ac.jp