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片岡樹
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京都大学『斧は忘れても、木は覚えている』上映・講演会
<作品について>
斧は忘れても、木は覚えている(The Tree Remembers/還有一些樹)
本作は、アーカイブに保存された写真、映像資料を基に、公表発表で死者196名、負傷者439人が犠牲になったマレー人・華人間の民族暴動「513事件」(1969年)と、マレーシア半島部に居住する全人口の1%にも満たない少数先住民族オラン・アスリの歴史を辿りながら「開発とイスラーム化(同化)政策」の現状を描いた作品である。
証言を基に、心の奥に深く封印された個人の記憶を理性的・客観的な筆致で掘り起こし、「真の国民統合とは?」を問う監督の制作意図は、「加害者は忘れても、被害者は苦しみの歴史として記憶する」を意味するアフリカの諺「The axe forgets, but the tree remembers」から採られたタイトルに示されている。
残念ながら、513事件は「敏感な問題」として50年を経た今でもタブー視されており、監督が求める「513事件真実和解委員会」創設、及び本作のマレーシアにおける劇場公開の目途はたっていない。
l 2019年/制作国:台湾(撮影地:マレーシア)/上映時間89分
l 監督:ラウ・ケクフアット(Lau Kek Huat 廖克発)
l 言語:華語、英語、マレー語、オラン・アスリ諸語
l 日本語字幕付き
l 受賞歴:台北金馬映画祭(2019)金馬奨ドキュメンタリー賞ノミネート、台北映画祭(2019)ドキュメンタリー賞・音楽賞・音響デザイン賞ノミネート
<上映日時>
2022年11月18日(金) 17:00上映開始(16:45開場、19:30終了予定)
*入場無料、事前登録制/当日参加可(定員40人)
https://forms.gle/9YnDbvUe3TE8vWqb9
※事前登録がなくてもご来場いただくことは可能ですが、会場入口で参加登録をしていただきますので、事前にご登録いただくとスムーズにご入場いただけます。定員を超える場合は、事前登録を済ませた方を優先させていただきます。
※新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来場にあたっては、必ずマスクを着用してご来場ください。
<会場>
京都大学吉田キャンパス本部構内 総合研究2号館4F大会議室AA447
(京阪電車「出町柳」駅 徒歩10分、市バス「百万遍」徒歩3分)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/access/
(この地図の「京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 百万遍キャンパス」です。)
<プログラム>
16:45 開場
17:00–18:30 映画『斧は忘れても、木は覚えている』上映(89分)
18:30-19:10 盛田茂氏による解説
19:10-19:30 全体討論
講演者:盛田茂 氏(MORITA Shigeru)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。専門はシンガポールの映画研究。著書に『シンガポールの光と影――この国の映画監督たち』(2015年、インターブックス)がある。本作の監督ラウ氏と2017年10月21日以来の交友関係を持ち、2019年5月25日、台北で監督との再会時、本作を紹介してもらい日本語字幕作成及び日本での上映、DVD販売許可を得た。
全体討論司会:片岡樹氏(KATAOKA Tatsuki)
主催:京都大学『斧は忘れても、木は覚えている』上映委員会(楊苹・中島咲寧)
共催:科学研究費基盤研究(B)「東南アジアにおける道徳政治の光と影―新興中間層の政治意識と自由民主主義の同様―」(代表:日下渉)
問合せ:kataoka[at]asafas.kyoto-u.ac.jp(片岡樹)