映画『斧は忘れても、木は覚えている』上映・講演会

11月18日に、京都大学百万遍キャンパスにて映画『斧は忘れても、木は覚えているThe Tree Remembers/還有一些樹)』の上映・講演会を行います。
本作はマレーシアの民族暴動とオラン・アスリの歴史を描いた、マレーシア華人の廖克発監督による作品です。
マレーシア、国家統合、マイノリティや民族関係などに興味のある方にぜひお勧めしたい作品です。
ご質問がございましたら、片岡までお問い合わせください。
上映・講演会に関する詳細は以下です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

(ご登録はこちらから:https://forms.gle/9YnDbvUe3TE8vWqb9

片岡樹

ーーー

京都大学『斧は忘れても、木は覚えている』上映・講演会

<作品について>

斧は忘れても、木は覚えている(The Tree Remembers/還有一些樹)

本作は、アーカイブに保存された写真、映像資料を基に、公表発表で死者196名、負傷者439人が犠牲になったマレー人・華人間の民族暴動「513事件」(1969年)と、マレーシア半島部に居住する全人口の1%にも満たない少数先住民族オラン・アスリの歴史を辿りながら「開発とイスラーム化(同化)政策」の現状を描いた作品である。

証言を基に、心の奥に深く封印された個人の記憶を理性的・客観的な筆致で掘り起こし、「真の国民統合とは?」を問う監督の制作意図は、「加害者は忘れても、被害者は苦しみの歴史として記憶する」を意味するアフリカの諺「The axe forgets, but the tree remembers」から採られたタイトルに示されている。

残念ながら、513事件は「敏感な問題」として50年を経た今でもタブー視されており、監督が求める「513事件真実和解委員会」創設、及び本作のマレーシアにおける劇場公開の目途はたっていない

 

2019年/制作国:台湾(撮影地:マレーシア)/上映時間89

監督:ラウ・ケクフアット(Lau Kek Huat 廖克発)

言語:華語、英語、マレー語、オラン・アスリ諸語

日本語字幕付き

受賞歴:台北金馬映画祭(2019)金馬奨ドキュメンタリー賞ノミネート、台北映画祭(2019)ドキュメンタリー賞・音楽賞・音響デザイン賞ノミネート

<上映日時>

20221118日(金) 17:00上映開始(16:45開場、19:30終了予定

*入場無料、事前登録制/当日参加可(定員40人)
https://forms.gle/9YnDbvUe3TE8vWqb9

※事前登録がなくてもご来場いただくことは可能ですが、会場入口で参加登録をしていただきますので、事前にご登録いただくとスムーズにご入場いただけます。定員を超える場合は、事前登録を済ませた方を優先させていただきます。

※新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来場にあたっては、必ずマスクを着用してご来場ください。

 

<会場>

京都大学吉田キャンパス本部構内 総合研究2号館4F大会議室AA447

(京阪電車「出町柳」駅 徒歩10分、市バス「百万遍」徒歩3

https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/access/

(この地図の「京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 百万遍キャンパス」です。)

<プログラム>

16:45 開場

17:0018:30  映画『斧は忘れても、木は覚えている』上映(89分)

18:30-19:10 盛田茂氏による解説

19:10-19:30 全体討論

講演者:盛田茂 氏(MORITA Shigeru

立教大学アジア地域研究所特任研究員。専門はシンガポールの映画研究。著書に『シンガポールの光と影――この国の映画監督たち』(2015年、インターブックス)がある。本作の監督ラウ氏と20171021日以来の交友関係を持ち、2019525日、台北で監督との再会時、本作を紹介してもらい日本語字幕作成及び日本での上映、DVD販売許可を得た。

全体討論司会:片岡樹氏(KATAOKA Tatsuki

主催:京都大学『斧は忘れても、木は覚えている』上映委員会(楊苹・中島咲寧)

共催:科学研究費基盤研究(B)「東南アジアにおける道徳政治の光と影―新興中間層の政治意識と自由民主主義の同様―」(代表:日下渉)

問合せ:kataoka[at]asafas.kyoto-u.ac.jp(片岡樹)

Close Menu