0月23日開催「インドのヒンドゥー教における祖霊祭の変化」(虫賀幹華氏)

次の研究会をご案内します。
上智大学アジア文化研究所「文化遺産の学際的研究」は、考古遺跡や文化遺産と人々の関わり合いの歴史を再考するレクチャー・シリーズの一環として、以下のオンライン研究会を開催します。

来る2021年10月23日(土)午後、虫賀幹華氏(京都大学大学院文学研究科・日本学術振興会特別研究員PD)に「インドのヒンドゥー教における祖霊祭の変化―祭祀対象を中心に」をご講演いただくことになりました。前回の本研究会(カンボジアの盆と古代インドのシュラーッダのカンボジアにおける歴史的展開)とも繋がるテーマです。皆様のご参加をお待ちしております。転送歓迎です。
参加登録はこちらから:https://forms.gle/iGr2HBe3hZuccwZj7

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上智大学アジア文化研究所「文化遺産の学際的研究」オンライン研究会
開催日時:2021年10月23日(土)14時-16時
講師:虫賀幹華氏(京都大学大学院文学研究科・日本学術振興会特別研究員PD)
講演題目:「インドのヒンドゥー教における祖霊祭の変化―祭祀対象を中心に」
概要(講師より):
発表依頼を受けた際、アンコール地域で現在行われている葬祭がカンボジアの他地域とは異なるものであること、そしてそれがアンコール時代の王権により統治の理念として採用されていたヒンドゥー思想の影響を残すものではないかという指摘があることを聞いた。アンコール時代に取り入れられた可能性のあるヒンドゥーの祖霊祭(Śrāddha)の形態は、インドの祖霊祭の発展のなかでどの段階のものであるのだろうか。本発表の目的は、この問いに答えを出すことではなく、答えるための一つの材料を提供することである。
生者による死者の弔いは、インドにおいて、古代から現代まで変化を伴いながらずっと続いてきた。しかしながら、祖霊祭に関する研究が進んでいるとは言い難い。文献学者による古代の儀礼、あるいは文化人類学者による現代の儀礼に焦点を当てた研究はあっても、古代から現代までを射程に入れてその変遷を捉えようとする試みはなされていない。全体の概観は現時点ではできていないが、本発表では、発表者のこれまでの祖霊祭に関する研究成果をまとめることでその一部を明らかにする。具体的には、父系直系三世代のみを対象としていた初期の祖霊祭から、女性たちや母方の祖父たちが対象になり、それ以外の親族や知人友人、さらには「無縁仏」と呼べるような存在までが祖霊祭の対象に含まれていく様相を描く。またそのなかで、ヒンドゥー教において死者・祖先がどのような存在として捉えられていたのかがわかる表現もいくらか紹介できればと考えている。

参考文献:
虫賀幹華「ヒンドゥー教の無縁供養―ガヤーの祖霊祭における供養マントラの分析から―」日本宗教学会『宗教研究』(95巻1号、2021年6月)(登録された方へは、発表関連資料をメールアドレス宛にお送りします。)

開催形態:オンライン(Zoomミーティング)
タイムスケジュール:
13:45 ミーティング入室開始
14:00 開会
14:05-15:35 講演
15:35-16:00 質疑応答
16:00 閉会

[Zoomミーティング情報]
参加登録された方へは、前日(10月22日午後)、登録メールアドレス宛へミーティング情報をお送りします。

[お問い合わせ]
丸井雅子(上智大学アジア文化研究所)m-masako[at]sophia.ac.jp

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