最近になって,学会メーリングリスト(SEAML)でも何度かウィルスに感染したパソコンからメールが送信されるということが起こっています。それらはウィルスに感染していることに気づかずにメールを送信した,あるいはウィルス自身がパソコン内のアドレス帳を利用して勝手にメールを送信した,などのケースであり,悪意からウィルスが投げ込まれたわけではありません。
現在,SEAMLは会員が登録しているアドレス以外からの投稿を受け付けない設定になっており,また,SEAMLを設置させていただいている立教大学のサーバ自体もウィルスチェックを行っているため,ここ数年 SEAMLにウィルスが流れるという自体は発生していません(2007年5月追記)
しかし,インターネット上でウィルスの感染・被害が蔓延している状況を見る限り,今後も同様の事態が生じることは避けがたいといわざるをえません。お使いのパソコンがウィルスに感染すると,使う本人が被害を被るだけでなく,そのパソコンから発信するメール経由で被害を周囲に広げることになります。特に研究室など,LANに常時接続されているパソコンが感染すると,使用者の気づかないうちにウィルスを含むメールが大量に送信されることがあるのでいっそうの注意が必要です。
現状では管理人の側で対処することは困難なので,SEAMLを利用しておられる個々の会員に十分な自衛策を採っていただくようお願いします。
利用者が意識的に自衛策をとれば,ウィルス感染の防止は困難ではありません。
以下にあげる対策は,インターネットを使用する場合の必須事項だと考えてください。これらの対策を怠ってウィルスに感染し,周囲の人に被害を及ぼしたら,その責任の半分はあなたにあります。
ここでいう「更新」は,いわゆる「バージョンアップ」のことではありません。(もちろん新しいバージョンにすれば,すでに知られている問題点は解決されていることが多いので,ある程度の対策にはなりますが...)したがって,「うちのパソコンは古いから,新しいソフトを入れても動かない」とか「ディスクの容量が足りない」といって読み飛ばさないでください。
最近流行するウィルスのほとんどが Windows と,付属ソフトの Internet Explorer/Outlook Express をターゲットにしています。これらは普及度が高く,IEやOEは無料で手にはいるため,セキュリティーホール(セキュリティが甘く,攻撃しやすい箇所)のを探すことも容易であり,ウィルスを仕掛ける側にとっては影響を広げることが容易だからです。
これに対して,販売/配布元の Microsoft 社は,セキュリティーホールが発見されるたびに,それに対処する修正プログラムを配布しています。Microsoft社の WEBページにも載りますし,Windows98 以降なら「Windows Update」を使用すれば重要な修正は半自動的にパソコンに組み込むことが可能です。
2007年5月現在,Windows 98 のサポートは打ち切られています(今後セキュリティーホールが発見されても対策が取られない可能性があります)。また,Windows XP 以降では「Windows Update」に代えて「Microsoft Update」を利用することにより,Windows だけでなく Microsoft Office のセキュリティアップデートも同時に検索・インストールすることが可能になっています(2007年5月追記)
Windows のセキュリティに関する情報は,Microsoft社のWEBページの:
などに公開されています。また,後者のページを開いてから,左フレームの「修正プログラム一覧」から,Windows,Internet Explorer,Office などのお使いのバージョンを選択すれば,それに対応する修正プログラムを一覧からダウンロードすることができます。
もちろん,Windowsでなければ絶対安全ということはないわけですから,Macintosh など他機種のパソコンでインターネットを使う場合も,以下に述べるようなアンチウィルスソフトが必要なことはいうまでもありません。
以前の電子メール経由で感染するウィルスは添付ファイルの形をとるものがほとんどだったので,怪しい添付ファイルを開かなければ大丈夫,という感じでしたが,最近はメール本文を表示(プレビュー)しただけで感染する,というタイプのものも現れています。見たことのあるアドレス(ウィルスは感染したパソコンのアドレス帳を利用して伝わるので,全く見知らぬ人から来ることは少ない)から変なタイトルのメールが届いて,中身(本文)を確認しようとした時点で感染してしまうわけですから,添付ファイルと違い,「気をつける」だけで防げるものでもありません。
最近のアンチウィルスソフトの多くは,メールソフトとネットワークの間に入って,このようなウィルスを含むメールがメールソフトに入る前の段階でウィルスを検知してブロックをかけます。添付ファイルに関しても同様です。現状ではこの手のソフトはインターネット/電子メールを使う限り必須のものといえるでしょう。
なお,アンチウィルスソフトはこれまで知られているウィルスのデータベースを内部に持っており,それと比較することでウィルスを検出します。したがって,未知のウィルスについては(ある程度の類推はしますが)効果が期待できません。そこで重要なのが,常にウィルスのデータベースを定期的に更新し,ソフトが最大の効力を発揮するようにしておくことです。最近ではパソコン購入時にアンチウィルスソフトが入っていることもありますが,購入時のまま一度もウィルス定義の更新を行なっていない場合も多いのではないでしょうか? これではほとんど意味がありません。
アンチウィルスソフトには「ウィルスバスター」(トレンドマイクロ),Norton AntiVirus(シマンテック),「McAfee ウィルススキャン」(日本ネットワークアソシエイツ)など各種あります。英語版ですが無料で使える「AVG Anti-Virus」というものもあります。各社とも,ウィルス定義は数日~1週間程度の間隔で更新されているようです。
アンチウィルスソフトのメーカーの WEBページでは,個別のウィルスに関する詳細な情報なども参照することができます:
(注:これらのリンクは特定メーカのソフトウェアを推奨するものではありません。)
ウィルスは日々新種が出現しています。これまで知られていなかったセキュリティホールを攻撃するものや,アンチウィルスソフトの対応が遅れた場合など,上記の2点についていくら注意していても,ウィルスに感染する危険が全くなくなったとはいえません。
もし不幸にしてお使いのパソコンがウィルスに感染していることに気付いた場合,他のパソコンへの被害を最小限に食い止めるために,すみやかにネットワーク接続を切断してください。LAN接続やADSLなどの常時接続の場合は,パソコンからケーブルを外してください。特に学校・研究室などでLAN接続されているパソコンが感染すると,使用者が席を離れている間に大量の感染メールが発信される危険があります。
その後,アンチウィルスソフト,または上記各メーカーが公開している個別ウィルスの駆除プログラムなどでパソコンからウィルスを取り除いてください。なお駆除プログラムを感染したパソコンでダウンロードすることは避けてください。ウィルスの中には,自分に対する駆除プログラムのダウンロードをブロックするものも存在します。また,ダウンロードのためにネットワークに接続している間に周囲のパソコンに感染をひろげる恐れもあります。
ウィルスによっては,システムの動作に必要なファイルに寄生したり,それらのファイルを破壊したりするものがあります。この辺は感染したウィルスによって様々ですので,上記のサイトなどを参照してください。最悪の場合,システム全体を再インストールする必要があるかもしれません。ウィルス駆除に自信が持てない場合も,最小限必要なデータを FD や MO などに待避した後,システム全体を再インストールしたほうが安全かもしれません。くれぐれも,感染したパソコンをそのまま使い続けることのないようにしてください。
本学会のメンバーは,研究の必要上から国外とのメールのやりとりや,国外の WEBページの閲覧などをおこなうことが多いと思われますので,ウィルス感染の危険にさらされる機会が少ないとはいえません。しかし,ウィルスの危険があるからといって,インターネット/電子メールを使用しない,というのは建設的ではありません。
会員の皆さんが適切な自衛策をとって,安全にインターネット/電子メールを使用されることを願っております。
(2001年12月/07年5月 情報化担当)