▼ 2010/06/26(土) 海域アジア史研究会6月例会のご案内
海域アジア史研究会6月例会のご案内
みなさま、海域アジア史研究会6月例会についてご案内致します。
今回はお二人に研究発表をして頂く予定です。
詳細は下記の案内をご覧くださ い。
みなさまの参加をお待ちしております。
————————— 記 —————————————
【海域アジア史研究会6月例会】
日時:2010年6月26日(土) 13:30~17:30
場所:大阪大学豊中キャンパス 文法経本館 2階大会議室
*大阪大学豊中キャンパスへのアクセス (http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/)
豊中キャンパスの地図 (http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka.html)
〈報告者と題目(順不同・敬称 略)〉
吉川和希(大阪大学文学研究科博士前期課程)
「16世紀前半の中国ポルトガル関係をめぐる諸問題」
中村 翼(大阪大学文学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員)
「鎌倉前中期における入宋僧の活動と公武権力」
資料代として200円ご用意ください。
研究会後には懇親会を予定しております。
−−−−−−−−−−問い合わせ 先−−−−−−−−−−−−−
〒560-8532 大阪府豊中市待兼山1-5 大阪大学 文学部・文学研究科
東洋史学研究室内 冨田暁(大阪大学文学研究科博士後期課程)
Tel(研究室): 06-6850-6111 / Fax(研究室): 06-6850-5091
▼ 2010/06/26(土) 関西地区6月例会のご案内
会員各位
今年度の東南アジア学会関西地区例会は、6、10、12月については「東南ア
ジアの社会と文化研究会」と共催のとなります。相互に刺激となって活発に議論
ができますことを目指しております。
http://www.chiiki.asafas.kyoto-u.ac.jp/syakai-bunka/workshop/index.html
早速、6月は下記のように共同で開催いたします。ふるってご参加ください。
日 時 2010年6月26日(土)13:30~17:30
場 所 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 総合研究2号館
(旧・工学部 4号館)4階 会議室(AA447)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
報告1 中村 真里絵(国立民族学博物館 外来研究員)
「農民から職人へ:タイ東北部土器生産地における社会関係の変容」
報告2 佐藤 奈穂(京都大学東南アジア研究所 非常勤研究員)
「カンボジア農村における死別・離別女性の研究
-親族ネットワークと生計維持戦略-」
【発表要旨 Abstracts】
1 中村 真里絵氏
本発表では、タイ東北部有数の土器生産地ダーン・クウィアンにおいて、土器
づくりが活発化する過程で、人々がいかにして社会関係を再編させてきたのかを
論じる。都市近郊農村に位置するダーン・クウィアンに住む人々の従来の生業は
農業であり、土器づくりは副業であった。そして多くの地域で土器づくりが消滅
していくなか、1970年代、日用品としての土器から室内外の装飾品としての土器
をつくることへの転換により、ダーン・クウィアンの土器づくりは農民の片手間
の副業から専業と化し、作り手は農民から職人になった。
当初、土器づくりは、集落の屋敷地の工房において、親子やキョウダイ、親族間
という狭い範囲で完結していた。ところが、1990年代より、生産地の外からの土
器職人の流入に伴い、土器づくりに新たな技術的要素が加わるようになると、土
器づくりにおける人々の社会関係が、血縁、地縁を基盤にするものから技能ベー
スへと移り変わっていき、土器づくりは、屋敷地の工房を越えて広い範囲でおこ
なわれるようになる。しかし、そこで血縁、地縁という従来の土器づくりを支え
る社会関係は、消滅するのではなく維持されていく。このダーン・クウィアンの
人々の関係性を構成する血縁、地縁、技能という要素が、土器づくりを可能にし
ている一方で、新たに村人の間に経済的な格差を生み出していることに留意した
い。本発表では、こうした土器づくりをめぐる人々の社会関係の変化をカーステ
ンの言う"つながり(relatedness)"に依拠しながら検討する。
2 佐藤奈穂氏
本発表では,カンボジアの一農村を対象とし,死別・離別女性(メマーイ)が,
①いかに資産を得て,②いかに働き,③いかに子を育てているのかを明らかにす
る。そこから,農村に生きる女性たちの「貧困回避」と「リスク対応」を可能と
するカンボジア社会の特徴とその限界を描き,所得貧困にとどまらない広義の
「人間貧困」への理解に迫る。
死別・離別女性は「女性世帯主世帯」として,開発経済学における貧困問題の1
つとして研究されてきた。女性世帯主世帯は日本やアメリカ,南アジアなどで所
得貧困の割合が高いが,カンボジアを含む東南アジアの国々ではその逆の結果が
出ており,夫を持たない世帯の女性たちが他の世帯に比して貧困に陥る状況は見
られない。また,カンボジアの農村社会は互助機能が低く,個人主義的であると
先行研究で述べられてきた。夫を失くすというリスクに遭遇した女性たちが貧困
を回避する要因に農村社会の互助的,支援的機能は存在しないのか,という点に
ついても検証する。
メマーイの貧困回避を可能とする要因として,まず女性に開かれた経済環境の
存在が指摘できる。また,親やキョウダイ等と1つの世帯を形成することによ
り,労働力を確保するとともに,世帯内に2人以上の家事労働力を有し,家事と
夫に縛られない女性の社会進出を促していた。
リスクへの対応の特徴としは,以下の3点が明らかになった。まず世帯構成の柔
軟性がある。夫を失くしたメマーイは親やキョウダイと世帯を再編成することに
より,労働力を確保し,世帯の安全や精神的な支えを獲得していた。母子世帯に
なることを回避し,夫の不在がリスクとして顕在化しない構造があった。2点目
は親族内での扶養規範の共有である。子や老親が世帯間を移動することにより,
親やキョウダイ間における所得の一時的な再分配と扶養負担の調整が行われてい
た。3点目は資産の確保である。夫を失くしても住む場所や耕す土地,その他の
資産を失わないことも重要なリスク回避の要素として確認された。
先行研究では,カンボジア農村の互助機能は弱く,個人主義的であると述べられ
てきたが,親族世帯間における支援の存在が確認できた。互助関係は独立した世
帯間での金品や食料,労働力支援などによってのみ行われるのではなく,世帯の
形態そのものを変え,世帯間を人が移動することによっても取り結ばれているこ
とが明らかになった。ただ,親族が親やキョウダイといった非常に狭い範囲に限
られていることが,その機能の限界でもある。
つまり,メマーイの所得貧困およびリスクの回避は,資産の確保,労働力の確
保,就労機会の存在,家事労働からの解放,親族世帯間での子の扶養規範の共有
によって可能となっていた。資産獲得の慣習や経済状況,さまざまな関係性に支
えられた世帯構成や扶養規範の「柔軟性」が,所得貧困だけでなく夫を失くした
ことにより発生する様々なリスクを回避し,女性たちの社会経済生活の不安定性
を緩和していると言える。
世話人・連絡先
東南アジア学会関西地区例会 世話人・連絡先
片岡 樹 kataoka[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
蓮田隆志 hsd[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子 yhayami[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
渡辺一生 isseiw[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
東南アジアの社会と文化研究会 世話人代表・研究会事務局(2010年度)
杉島敬志 takasugi(at)asafas.kyoto-u.ac.jp