4月25日(土)関西地区例会のお知らせ

下記の通り4月例会を開催いたしますので、ご案内いたします。

直前のご連絡で恐縮ですが、東南アジア学会関西地区例会では、4月25日(土)にビデオ会議ツールであるZoom(https://zoom.us/)を利用したオンラインの例会を試験的に開催する予定です。参加希望者には配布資料やZoomのミーティングルームのURLとIDなど参加に必要な情報を事前にお送り致しますので、前日の24日(金)までにjsseas.kansai◎gmail.com(◎を@に変えてください)にご連絡ください。

なお参加にあたってはZoomのアプリやソフトウェアをインストールしたうえで、サインアップして頂く必要があります。Zoomの使用方法については、Zoomのヘルプセンター(https://support.zoom.us/hc/ja/categories/201146643)などをご参照ください。
皆様の積極的なご参加をお待ちしております。プログラムや報告要旨などは以下の通りです。

日時:2020年4月25日(土)13:00-16:30●プログラム13:00-14:00 趙浩衍(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)「19世期中葉ベトナムの家譜における祖先中心と子孫中心の系譜観念の併存とその意味 ―『段族譜』と『阮族家譜』を中心に―」
14:15-15:15 生駒忠大(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)「フィリピン・アンティケ州における有機農業の普及に関する参加型アクション・リサーチ」
15:30-16:30 渡辺彩加(京都大学大学院総合生存学館(思修館)
「国内避難民とその支援 ミャンマー連邦共和国マンダレー管区における僧院学校を事例として」

●報告要旨発表者:趙浩衍(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)発表題目:19世期中葉ベトナムの家譜における祖先中心と子孫中心の系譜観念の併存とその意味 ―『段族譜』と『阮族家譜』を中心に― 発表要旨:ベトナムの家譜には、始祖から世代を数える祖先中心型だけではなく、自己を起点に数える子孫中心型も存在する。これらは系譜観念と関わるものと先学により指摘されている。そして儒教理念の浸透と親族意識の強化により、親属意識に起因する子孫中心に代わって祖先中心型が増加したと理解されている。ただし『段族譜』や『阮族家譜』のように祖先中心型でありながらも、子孫中心の系譜観念が現れている家譜も存在する。この併存は子孫中心から祖先中心への移行という理解だけでは説明できない。そこで本報告では、家譜の形式と内容を考察して、これらの家譜が形式的に祖先中心型を用いながらも、依然として子孫中心の系譜観念を保っていたことを明らかにし、その理由について考える。
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発表者:生駒忠大(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)発表題目:フィリピン・アンティケ州における有機農業の普及に関する参加型アクション・リサーチ発表要旨: フィリピンでは、90年代後半から農業省やその他政府機関、NGOが連携し、全国各地で数々の有機農業推進事業が実施されてきたが、農村の小農に受け入れられることはほとんどなかった。本研究では、アンティケ州サンレミヒオ町役場農業課の職員(普及員)と発表者が参加型アクション・リサーチの手法に則り、有機農業を農村で根付かせるために、デモ圃場を起点とした普及活動を実践した。2年弱にわたる一連の実践的研究から、デモ圃場が、普及対象地域の特性に適した有機農業を農民に受け入れられるようにするために機能したと考察した。
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発表者:渡辺彩加(京都大学大学院総合生存学館(思修館)
発表題目:国内避難民とその支援 ミャンマー連邦共和国マンダレー管区における僧院学校を事例として発表要旨:本研究の目的は国際避難民の現状とその支援の内容を明らかにすることである。本研究では、ミャンマーにある僧院学校に着目した。1) 児童らを受け入れるために、瞑想などを目的とした僧院が僧院学校に変化したケースがあること、2) 僧院学校が生活全般から教育まで児童らに提供していること、3) 多くの沙弥は教育のために移動したと回答したが、その背景には紛争や貧困があることがインタビューにより明らかになった。さらに、4) 海外支援団体との認識のずれが生じており、周辺の住民や寺院との関係が悪くなっていることも明らかになった。

ご不明な点がありましたら、吉川(jichuan_hexiyahoo.co.jp)(◎を@に変えてください)までご連絡ください。

 

東南アジア学会関西例会委員小林知、伊賀司、ピヤダー・ションラオーン、西島薫、吉川和希

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