緬甸勉強会のご案内

緬甸勉強会を下記の要領で開催します。

今回も、前回に引き続きカレンの人々のお話ですが、年代やテーマは異なります。
ご参集ください。

配布資料がありますので、コピー枚数の無駄を省くためにおおよその部数を確定したいと存じます。参加される方は末尾のメールアドレス宛にご連絡くださるようお願いいたします。

日時:2020年2月15日(土)午後3時30分~午後6時

場所:東京大学東洋文化研究所3階第1会議室

発表者:藤村瞳さん(上智大学特別研究員)

タイトル:19世紀英領ビルマにおけるキリスト宣教と植民地支配:カレン・バプテストの理解と対応

要旨:
本報告では、2018年度に提出した博士論文に基づき、19世紀英領ビルマの人びとがいかに近代性と接触し理解したのか、米国バプテスト派に改宗したカレン語話者を事例に考察する。カレン信徒らが記した新聞記事や書籍など従来活用されてこなかったスゴー・カレン語史資料を分析し、宗教的・言語的少数派である人びとのイギリス植民地支配という現実への対応の在り方を明らかにする。
19世紀のカレン信徒たちにとって、キリスト教宣教や植民地支配下での経験は未知なる世界観との遭遇であった。従来の信仰とは異なる宗教世界観や、アメリカで見聞した近代工業技術は、未知なるものであった。特に19世紀半ばには、宣教で用いられた出版印刷物や科学技術などの近代性は人知を超えた神の業とも捉えられ、信仰と深く結びついて理解された。
1860年代以降になると、近代的価値体系と白人優位主義的な植民地的状況を理解したカレン・バプテスト知識人層が現れ始め、次第に「民族」や「国家」などの近代レトリックを用いて政治的主張を展開していった。本発表では1881年のカレン民族協会結成や、1887年のヴィクトリア女王戴冠50周年記念式典という事例を取り上げ、植民地支配下での立場を模索した彼らの主張を読み解き、それらの活動の歴史的意味をビルマ史のなかに位置付けて考察する。

東洋文化研究所の場所は下記のURLを参照してください。)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_12_02_j.html
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html

髙橋昭雄

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TAKAHASHI Akio, Ph.D.
Professor
Institute for Advanced Studies on Asia,
The University of Tokyo
<takahashi[at]ioc.u-tokyo.ac.jp>
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