インドネシア選挙セミナー(5月13日、京都大学)

2019年4月17日に行われたインドネシアの選挙に関するセミナーを
開催します。ご都合のつく方はぜひご参加ください。
(オンラインストリーミングによる配信も検討しています。実現できそう
であれば、また連絡させていただきます)

日時:2019年5月13日午後4時から
場所:京都大学東南アジア地域研究研究所・稲盛財団記念館3階・中会議室

発表者:本名純(立命館大学)
タイトル:大統領選挙における政治エリートの駆け引き
要旨:
インドネシアの2019年大統領選挙は、はじめて議会選との同時実施となり、その複雑さゆえに、「世界でもっとも複雑で最大な直接民主選挙」と呼ばれるに至った。多くのオブザーバーの関心も、その選挙で誰が勝利し、どのような投票行動が示されるのかに集中した。ジョコウィとプラボウォのリターンマッチで、どれだけ得票差が出るか、地方性はどう反映されるか、イスラム票はどうなるか、SNSのキャンペーンのインパクトはどうか、など関心は尽きない。しかし、今回の大統領候補を取り巻く政治エリートの思惑と駆け引きについては、ほとんど議論されていない。本報告は、それを扱うことで、今回の大統領選挙の分析に、より深みを出してみたい。

発表者:岡本正明(京都大学)
タイトル:ポスト・トゥルース時代の選挙の始まりとその政治的意味
要旨:
インドネシアの2019年選挙を特徴づけたのは、サイバー戦争の本格化である。2012年のジャカルタ州知事選以降、サイバー空間での選挙戦が始まったが、2019年の大統領選挙ではこのサイバー戦争が本格化、そして激化した。インドネシアでもインターネット利用者が急増して、真偽の定かでないオンライン上の情報が選挙戦を左右し始めた。大統領選に出馬した2人の候補ともにサイバー部隊を作って、フェイスブック、トゥイッター、インスタグラム、ホワッツアップなどのオンライン・プラットフォーム上で選挙キャンペーンを繰り広げた。ネガティブ・キャンペーン、ブラック・キャンペーンも日常化し、でっち上げられた事実が氾濫し、「でっち上げ」を意味するhoaxという英語は一気にインドネシア語化していった。本発表では、こうした新たな様相を呈し始めたインドネシアのサイバー戦争について、両陣営の特徴について分析した後、ポスト・トゥルース時代の選挙、そして政治とはなんなのかを考えたい。

主催:インドネシア研究懇話会(KAPAL)

連絡先:岡本正明(okamoto[at]cseas.kyoto-u.ac.jp)

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